• (株)へいせい(福岡県)

    ・諸業務を「見える化」し、建設ディレクター制度を導入して、育成環境を整備。

    ・多能工育成に必要な、基本の作業手順書を作成するための道筋ができた。

背景と動機

(株)へいせいは、福岡県で公共土木工事から民間工事まで一手に担う、従業員130人の総合建設業。

住宅基礎工事において多能工の育成推進を考え、アドバイザーへの支援を要請したが、基本的な作業手順書の作成段階から滞った。ヒアリングでその背景を探ったところ、現場技術者及び技能実習生が、多大な日々の業務に忙殺されている現状が判明した。

そこで支援の方法を切り替え、業務効率化から着手することになった。

事業の概要

支援にあたり、社内と社外それぞれからアプローチをした。

まず社内では、オペレータや外国人実習生が、住宅基礎工事の作業手順書に沿って行なっている現状の業務に、人員の遊びやムダ・ムリ・ムラがあるのかを記録・分析して、業務の「見える化」を図った。技術者においても、2週間の各業務に要した時間を記録し、業務内容と取組時間の予定と実績の差分を明らかにした。

そして社外からは講師を招き、建設ディレクター制度の勉強会を2度実施した。建設ディレクターとは、ITスキルとコミュニケーションスキルによって、オフィスから現場支援を行う新しい職域のこと。生産性向上、女性が活躍する職場作り、働き方改革に向けた業務改善など、社内の仕組みを整備する人材育成を目的としている。制度とその背景を理解し、現場業務から同職への振り分けを検討した。

成果と展望

業務の見える化によって、計画立案の重要性とプライオリティ意識を社内に浸透させることができ、業務能力の把握によって、効率化を図るポイントを絞れた。

また、建設ディレクター制度の勉強会によって、技術者を要する業務と、他者に任せられる業務の分類が明確になった。その結果、女性事務職員が同制度の資格取得推進につながっている。

今後は多能工の育成へより一層注力をしていく。例えば、一連の取り組みによって知見を深め、現場に即した作業手順書を作ることが期待される。また、それに基づき1年以上の継続的な運用で、人材育成を進める計画を持つ。習慣化した残業については、段階的に目標を設定し、初年度は2割削減、2年目は現状からの4割削減を目指す。

 
Before(取り組む前)

・建設ディレクター制度が知られていなかった。

・作業手順書が機能しなかった。

・多能工化に向けてすべきことがわからなかった。

After(現在)

・建設ディレクター制度の勉強会により、他者に任せられる業務の判断ができるようになった。また会社の女性事務職員が同制度の資格取得を目指すことにつながった。

・技術者や外国人実習生の業務を可視化。生産性向上に向けた作業手順書の作成へ前進した。

・多能工を推進するうえで着目するポイントが明確になり、今後に道筋をつけた。

 
<アドバイザーからの一言> 現状の作業の多能工化を図ることで、いきなり生産性向上を図ることは出来ません。まず、改善の基礎である5S活動を社内で定着させ、現状の3M(ムダ・ムリ・ムラ)を排除し、業務や作業の平坦化を図ることが最初の一歩です。(技術士 前田憲一)

 
<企業プロフィール>
事業者名 (株)へいせい
所在地 福岡県糸島市
資本金 1億円
従業員数 125人
URL https://heisei-g.co.jp/